ABOUT MORITA モリタを知る

挑戦こそが、モリタのDNA

~ 世界の歯科治療を変えたプロジェクト ~

戦後、崩壊寸前にあった医療保険制度の再建の切り札として、1961年に国民皆保険体制が発足。と同時に、歯科医療業界は新たな課題に直面する。国民の食生活が豊かになり、虫歯患者が急増する中、歯科医院に多くの患者が押し掛けてくることが予想されていたのだ。
従来、歯科診療方式は「立位診療」が世界のスタンダードであった。チェアに座った患者の口腔内に対して、歯科医師は立ったままの不自然な姿勢で診療を行ってきたのである。

そこに新たな診療スタイルを提唱したのが、米国の歯科医師ダリル・レイモンド・ビーチ。仰向けに寝かせた患者に対して、頭の後方から歯科医師が座って行う診療方式「水平位診療」であった。

だが「水平位診療」の普及には、まったく新しい治療設備の開発が必要となる。その研究パートナーに選ばれたのが、日本のモリタであった。1961年、極秘の開発プロジェクト「R計画」が、モリタの各セクションのスペシャリストを集結してスタートした。
Dr.ビーチが構想したのは、一体型チェアユニットとインスツルメントの開発だった。だが、そのどれもが前例のない開発。エアー、水、スプレーの3本のシリンジを1本化する開発では、ノズル先端の金属の曲げ加工に課題が集中した。ノズルパイプを「直線的に曲げる」独自技術により実用化に成功。世界初の「スリーウェイシリンジ」に続き、日本初の本格的な「口腔内バキュームシリンジ」などを、開発陣は次々と実現していった。

そして1963年、全米歯科医学会併設の展示会で世界初公開されたのが、水平位診療を可能にしたチェアユニット『スペースライン』である。だが、完成がプロジェクトのゴールではなかった。これまでの常識を覆す治療スタイルの浸透は、スペースラインの開発以上に難しい課題であった。
新しい治療スタイルに難色を示す医師たち。戸惑う医師に対して、モリタは水平位診療のデモンストレーションを全国で行い、固く閉ざされた扉をこじ開けるように、徐々に新市場を切り拓いていく。そしていつしか水平位診療は、歯科治療のスタンダードへと変わっていった。
1964年の発売開始以来、スペースラインは全世界で1万5000台以上を販売するベストセラーを記録。その後も、モデルチェンジを繰り返しながら、世界中の歯科治療を支え続けている。歯科医療スタイルそのものを変えた1人の医師とモリタの長年にわたる挑戦のマインドは、今も若い世代に受け継がれている。

歯科医療業界の リーディングカンパニー

『スペースライン』の開発は、モリタにとって象徴的な出来事となりました。常識を覆した不可能に挑んだ姿勢は、今も受け継がれているモリタの精神。世界中の歯科医師とのコミュニケーションの中からニーズを拾い上げ、診療環境の向上に貢献しています。

1981年に歯科医療専用のレセプトコンピュータを発売開始、2001年には3次元画像診断を歯科頭頸部用に応用するなど、世界に先駆けた新製品を次々とリリース。

国民皆保険制度の発足に合わせて取り組んだ『スペースライン』開発プロジェクト、コンピュータ時代の到来に対応したレセプトコンピュータの発売など、多様化していく時代の一歩先を読み、歯科医療業界のマーケットを作り上げてきました。

そして海外でも150を超える国と地域で、様々な製品が採用されています。例えば海外市場で高い評価を受け、世界シェアトップに位置する製品が、歯内療法(歯の根管内を治療すること)に使われる根管長測定器。「ニッポンの発明トップ100」にも選出された同製品は、患者さん1人ひとりによって異なるコンマ数ミリの治療を可能にしました。
そして、世界の歯内療法をリードする米国ペンシルベニア大学では、多くの研究者たちがモリタ製品を評価。グローバル戦略製品として、21ヵ国語に対応するなど、モリタの製品が世界のドクターたちを支えています。

これからの時代、真に価値ある製品・サービスが継続的に求められていきます。実績と信頼の積み重ねにより、国内シェアは50%を超え、業界と共に歩み続けたモリタは、創業より大切にする「進取の気性」で、世界の歯科医療技術の向上にむけて、常に新しい価値の提供を追い求めていきます。

人が健康を望む限り、 歯科医療に終わりはない

情報技術が目覚ましい進歩を遂げ、世界のありようが一変した2000年代。様々な市場でビジネスモデルの崩壊や再構築が始まり、いつ・どこで・どんな需要が生まれ、そして廃れていくのか予測することが難しい時代になりました。

しかし、人々が健康を望む気持ちも廃れていくのでしょうか?

どれほど社会がデジタル化したとしても、食事をする行為そのものや、歳を重ねても食事により充実した気持ちを見出すこと、また、しっかりと聞き取りやすい発声ができることなど、心身の健康を望むことに変わりはありません。更に現在、口腔内の健康がもたらす成人病や生活習慣病への影響力の大きさは、科学的に証明されています。

不確実な時代でも、変わらず価値を感じることは、確かに存在します。人が健康で豊かな生活を望む限り、歯と口腔のケアに関わる歯科医療業界が提供できる価値はますます広がるでしょう。

より高度なテクノロジーを活用し、心豊かな生活創造に役立つ最高の商品とサービスを提供しつづけ、幸福な社会の実現に貢献する。100年前も、100年先も、健康に携わるモリタの事業の本質に違いはないのです。

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